みなさんはイカが魚でないことはご存じだと思います。 まず、見た目が魚とイカでは全く違いますし、魚には必ずある背骨がイカにはないのも大きな違いの一つです。
では、イカはいったいどういう種類の動物なのでしょうか?

軟体動物 (なんたいどうぶつ)

世の中には、動物のグループ分けを専門に研究する「動物分類学」という学問があり、それによるとイカは「無脊椎(むせきつい)動物、軟体動物門、頭足綱」というグループに入ることになっています。
では、まず「軟体動物」とはいったいどういう種類の動物なのでしょうか?

まず、ここでの前提として、私たちが今考えているのはすべて背骨のない動物についてだということをはっきりさせておきます。なぜかというと、背骨のある動物はグループ分けの最もはじめの段階で「脊椎(せきつい)動物」として分けられているからです。その上で、もう一度考えてみましょう。

「軟体」という言葉からわかる通り、体が柔らかいのが軟体動物の最も大きな特徴です。では、ほかの軟体動物を探してみましょう。イカ以外に、体の柔らかい動物にはどのようなものがいるでしょうか?イカと似た動物としてすぐに連想するのはタコです。実際、タコも軟体動物です。他には、ナメクジや貝類も軟体動物です。貝が「軟体」なのはおかしいと思うかもしれませんが、殻の中にある体は柔らかいので軟体動物として問題はないわけです。

イカとタコの祖先は、貝の仲間です。最初はかたい貝殻を背負って海底をはっていました。その後、この貝殻でからだをおおいながら泳ぎはじめたのがアンモナイトです。いまでもオウムガイなどの仲間がいます。その後、このかたい貝殻を外套(貝では海底をはう足の部分)がおおいはじめ、その貝殻をどんどん小さくしていきました。スルメイカの胴体内の細いペンや、コウイカの白いおおきな「かいがら」は、遠い昔に貝であったことを物語っています。一方、タコは完全に貝殻をなくしています。

頭足類 (とうそくるい)

分類学では「頭足綱」と呼びますが、実際には「頭足類」と呼ばれることが多いので、これからはこのように呼ぶことにします。
みなさんがもしアリの絵を描くとしたら、下の2つの絵のうちどちらを描きますか?
上を向いたアリと下を向いたアリ
普通、動物を上から見た絵を描くときは、頭が胴の上にくるように描きますよね?ですから、大部分の方は左側の絵を描くと思います。実際それで特に問題はありません。では、イカの絵の場合はどうでしょうか?
上を向いたイカと下を向いたイカ

今度は多くの方が右の絵を描くと思います。しかし、この絵はおかしいと思いませんか?なぜなら、この向きだと頭が胴の下についているので、アリを右側の絵のように描くのと同じことになってしまうからです。ですから、イカは本当は左側の絵のように描かなければならないのです。こちらの絵の方が、足が頭の上にあるのでおかしく見えるかもしれませんが、これこそが実はイカの最大の特徴です。「頭に足がついている」という意味でイカを「頭足類」と分類しているのです(ちなみにタコも頭足類です)。
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